行進の開始にあたって(2014年)
南無妙法蓮華経
今年も又、命の行進を勤めさせて頂きたいと思っておます。
3月1日に焼津の久保山愛吉氏墓前参詣し3月3日に福島県広野町を出発し、3月11日に福島県南相馬、更に宮城県、岩手県を巡り、4月30日青森県の大間に到着いたします。
その後は原発立地地の地元の方々と協力し、現地でご祈念させて頂きたく誓願しております。日蓮大聖人の立正安国論に曰く、
「国を失い、家を滅せば、何れの所にか世を遁れん、汝すべからく一身の安堵を思わば先ず四表の静謐を祈るべし」
宮沢賢治氏の農民芸術概論綱要に曰く、
「世界ぜんたい幸福にならないうちは個人の幸福はあり得ない」
現政権は、先の国会で国民の目と耳と口を塞ぐ、秘密保全法を強行採決しました。
そして今後は国民に分からないように、国民の税金資産の絞り上げ、憲法を改悪し、武器輸出の出来る国、戦争の出来る国にし、再び原発を稼動させる国にしようとしております。
このような、政府の不法な暴挙を前に、今や個人の安心を求めて暮らせる所が何処にも見出されない状態となりました。もし私たちが無知、無関心、傍観しているならば、この国は人々が疑いあう社会となり、放射能まみれになり、戦場となり、作物も育たぬ人も住めぬ国土となり、滅んでしまう可能性を持つということであります。
これは一国家の亡国の危機の問題では無く、世界人類存亡に関わる問題であります。我が身を護る為にも立ち上がらなければならない時となりました。
藤井日達聖人曰く、
「私も初めは、宗教と云うものは、人々の心の問題だから、政治や、そうした集団的な問題に関わり無く、その人その人の心を教えて行けば善いものの様に考えておりました。ところが今日、問題が、国家と云う一つの大きな組織に関わってくる。又更に大きくなって世界と云うものに関わってきました。世界の問題が変わらない限り、個人の修養などを考えて見ても、成り立つものでもない。誰が、国家の行き方の誤りを正すことが出来るか。宗教が、個人の心を直すと同時に、国家の行き方を直し、世界の行き方を直して行く働きをする様に、世界の状勢が変わってきました。」
宮沢賢治氏の農民芸術概論綱要に曰く
「自我の意識は個人から集団社会宇宙と次第に進化する。この方向は古い聖者の踏みまた教へた道ではないか。新たな時代は世界が一つの意識になり生物となる方向にある。正しく強く生きるとは銀河系を自らの中に意識してこれに応じてゆくことである。われらは世界のまことの幸福を索ねよう。 求道すでに道である。」
2011年3月11日以降、至るところで「祈り」という言葉が使われるようになりました。 政府の政策とは裏腹に、若者たちは正しく強く生きる生き方を求めております。
世界的に見ても古の聖者を訪ね、正しい道を求めて求道する若者が増え、微々たるものですが、自然に畏敬の念をなし、持続可能な社会作りを試みている人々が増え始めております。
つまりは逆境にあっても、天地宇宙に対する宗教的信念を持つ人々が増え始めていると云うことに他ならないと思います。
新たな時代の流れを作るものは、この天地宇宙と我一体と感じられる宗教的信念を持つ人々がコアとなる事でしょう。
そしてその全体を包み込む様に私達は南無妙法蓮華経とばかり唱えて祈ってまいります。
「天下万民、諸乗一仏乗となって、妙法独り繁昌せん時、万民一同に、 南無妙法蓮華経と唱え奉らば、吹く風枝を鳴らさず、雨壊を砕かず。代は義農の世となりて、今生には不詳の災難を払い、長生の術を得、人法共に、不老不死の理顕われん時を、各々御覧ぜよ。」
この日蓮大聖人の格言を信じて、今年も歩みを進めてまいります。皆様には是非ともご同行して下さる様、宜しく御願い申し上げます。詳しい日程につきましては後日お知らせいたします。
日本山妙法寺 命の行進